中学2年生のはるまさんから「不定詞を理解するコツ」という質問をいただきました。
まず本質は「to」に動詞がくっついていると考えることがポイントだと思います。
そうしないと不定詞の名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法(漢字がいっぱい!)などと難しいことを考えていたら、それだけで頭がウニになってしまうと思います。
では「to」にはどういう性質があるのでしょうか。基本的にtoの語感は「向かっている・面している」と捉えることができると思います。次の例文で比較しましょう。
(1) I took a train to Osaka.
(2) I took a train for Osaka.
(1)はtoですから「大阪に面するように」電車に乗りました。
(2)はforですから「ふわっと大阪のほうに)乗りました。
だから違いを強調して意訳すると以下のように訳し分けることができます。
(1)私は電車で大阪に行きました。
(2)私は大阪方面の電車に乗りました。
また以下の違いを見てみましょう。
(3) I wrote a letter to her.彼女に手紙を書いた
(4) I bought a cake for her.彼女にケーキを買った
どちらも「彼女に」とありますが、使われる前置詞はtoとforで異なります。
(3)のwrite=書くという行為は、その行為そのものが彼女を目指すからtoが適切です。
(4)のbought=買ったという行為は、心の中でふわっと彼女のためだからforとなります。
これらの例でわかるようにtoの語感は「~に向かう」ということにあるのが感じ取れると思います。

さて、いわゆる不定詞=「to+動詞」は訳し方は基本的に「~(動詞の動作を)すること」であると考えてください。
I want to play tennis.
私はテニスがしたい。
私は「to play tennis = テニスすること」をwant欲する、つまり「テニスがしたい」という意味になります。
さて、like(好む)という動詞の後には「~すること」という意味で「動詞+ing」あるいは「to+動詞」のいずれも可能です。
「私はテニスをすることが好きです」を英語に訳すと以下のいずれも可能です。
I like playing tennis.
I like to play tennis.
では全く意味が同じかといえば、そうではありません。表現が異なりますので微妙にニュアンスが異なります。
動詞ingは「過去の経験」を指すのに対して「to+動詞」は未来志向があります。つまり、これから行う動作ということです。
だからI like to play tennis.は「これからテニスをすること」を好むというニュアンスでいえば「テニスをしたい」という意思が含まれる場合が多いといえるでしょう。
さて「to=未来志向」ということを頭に入れた上で、今までに述べた(名詞的用法)以外の使い方を見てみましょう。

(A) I woke up early to finish my homework.
宿題を済ませるために早起きしました。
(B) Kyoto is a nice place to visit.
京都は訪れるべき場所です。
(C) He grew up to be a great musician.
彼は成長して偉大な音楽家になりました。
あえてここでは「△△△用法」という文法用語を使いません。なぜならば意味を「感じ取って」欲しいからです。
(A)to finish my homework=「宿題を済ますことに向かって」早起きしたのです。
(B)to visit=「訪問することに向かって」いくべき場所
(C)to be a great musician=「偉大な音楽家になることに向かって」成長したのです。
いかがですか?
「to+動詞」は他にも色々な用法がありますが、暗記しようと思ったら大変です。また、それでは知らない用法が出てきたときに臨機応変な対応ができません。
toの語感は「向かう」
to+動詞は「未来志向で向かう」

これらの感覚を念頭に置いておくことが、幅広い解釈ができるようになるポイントだと思います。


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よっちゃん先生(大森善郎)
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7 Responses

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    わざわざありがとうございます。
    感謝しています。
    これからもお世話になると思いますので、よろしくお願いいたします!!

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    有難うございました!
    わかりやすくて、良かったです。イメージが掴み易くなりました。あ~っ、よっちゃん先生みたいに教え方が上手だったら、大学生のウチの娘も英語の赤点大魔王にならなくて済んだのかなぁ~(親子だから、どうしても教え方が感情的になってたかも…)

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    >アラフィフティーママさん
    そうそう、イメージでとらえるというのは応用力を養う為に大切なことですよね。
    うん、親子はね、難しいでしょう!
    お子さんは外の世界で楽しくも疲れて帰ってくるんですよね。それが家でも一種の「上下関係」みたいになってしまうと抵抗感があると思うんですよ。
    それが理屈で分かっていても、一所懸命に教えようとするほど軋轢が生じてしまう。
    うjまくいかないものですねえ。

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    >瀬利善郎さんへ
    最近、娘から、「お母さんは丸くなったねぇ~。小学校の高学年までは、怖かったんさ~。高校になっても、友達が自分の母親に向かってクソババァと言うのが、信じられなくて、自分は後がどんな展開になるかわかっていたから、出来なかった」と告白されました。
    給料の安いパート主婦で余裕なくてカリカリしていたんでしょうね。で、きっと自分的に[こんなのもわっかんないの~!]って思ってたのが通じてたんでしょうね。
    気付かせて下さって有難うございました。

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