昨日のこちらの問題、皆さん解いてみましたか?
正解を先に言いますと; e, g, k, l
しかしそれに至る過程が大切です。
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では先ず文毎の要約。(私流の意訳です)
When two or more people communicate with each other in speech, we can call the system of communication that they employ a code.
二人以上が話で意志伝達するときそのシステムをコード(暗号)と呼ぶ。
In most cases that code will be something we may also want to call a language.
多くの場合それは言語と呼ばれる。
We should note that two speakers who are bilingual, that is, who have access to two codes, and who for one reason or another shift back and forth between the two languages as they converse, by code-switching, are actually using the third code, one which draws on those two languages.
バイリンガルと呼ばれる会話主は二つの言語間を行き来できるのだが、二つの言語から引き出した第3のコードを持つということを覚えておくとよいだろう。
The system, or the grammar, is something that each speaker knows, but two very important questions for linguists are just what that knowledge is knowledge of and how it may best be characterized.
言語のシステムは文法ともいえるのだが、言語学者にとっての大きな2つの問題は、文法知識はどんなものであり、そしてどう特徴づけられるのか、ということである。
In practice, linguists do not find it at all easy to write grammars because the knowledge that people have of the languages that they speak is extremely hard to describe.
実際ある言語を話す人のその言語に関する知識は書き表すのが非常に困難であり、言語学者は文法というものを表現するのは大変難しいという共通認識がある。
It is certainly something different from, and is much more considerable than, the kinds of knowledge that we see described in most of the grammars we find on library shelves, no matter how good those grammars may be.
書籍にどんなに巧妙に文法が書き表されていても、実際の言語知識というものはそれとはかなり異なることは確かである。
Anyone who knows a language knows much more about that language than is contained in any grammar book that attempts to describe the language.
ある言語の話し手はどんなにうまくその言語について書かれた文法書よりもその言語について多くのことを分かっている。
What is also interesting is that the knowledge is both something that every individual who speaks the language possesses and also some kind of shared knowledge, that is, knowledge possessed by all those who speak the language.
また興味深いことは言語に関する知識というものは、その言語を話す全ての個人が所有し、なおかつその言語を話す人々の間で共有されている知識であることだ。
Today, most linguists agree that the knowledge that speakers have of the language or languages they speak is knowledge of something quite abstract.
今日において言語についてもつ人の知識というのは非常に抽象的なものだと言語学者は皆考えている。
It is knowledge of rules and principles and of the ways of saying and doing things with sounds, words, and sentences, rather than just knowledge of specific sounds, words, and sentences.
すなわちその言語知識というのは、ただ単に特定の単語、文、発音の知識といったものではなく、それらを使っての話し方、行動の仕方の規則や規範に関する知識といえる。
It is knowing what is in the language and what is not; it is knowing the possibilities the language offers and what is impossible.
いいかえればその言語に何があてはまり、何があてはまらないかを知っていることであり、すなわちその言語で可能なことと不可能なことを識別することである。
This knowledge explains how it is we can understand sentences we have not heard before and reject others as being ungrammatical, in the sense of not being possible in the language.
この知識があるということが、どんなふうにして今まで聞いたことの無い表現を受け入れたりあるいはその言語に似つかわしくないという意味で拒絶したりできるのか、という説明になる。
Communication among people who speak the same language is possible because they share such knowledge, although how it is shared ― or even how it is acquired ― is not well understood.
ある言語についてその言語に関する知識がどのように共有されたか、あるいはいかに習得されたかさえもよく判明してはいないのだが、そういう言語知識があるからこそ同じ言語を話す人々の間での意志伝達が可能になるのである。
Certainly, psychological and social factors are important and possibly genetic ones too.
確かに心理学的な、そして社会的な要因とさらに遺伝的な要因までもが重要と考えられる。
Language is however a communal possession, although admittedly an abstract one.
言語というものは抽象的ではあるにしても、その共同社会に所有されているものである。
Individuals have access to it and constantly show that they do so by using it properly.
その言語を話す各個人は、その言語を適切に使いこなすことによって、その共有財産である言語知識に接していることを示している。
—
次に設問をひとつずつ見てみましょう。
a.People who speak the same language can communicate because they share the same abstract knowledge of the language.
同じ言語を話す人たちはその言語についての抽象的な言語知識を共有しているので意志伝達ができるのだ
⇒○
まさに首尾一貫してそう述べているね
b.There is now a consensus among linguists that people’s knowledge of the language they speak is quite abstract.
ある言語を話す人々のその言語に関する知識は極めて抽象的なものである、というのが言語学者間の共通認識だ
⇒○
aとほぼ同じ内容であり問題ありませんね。
c.People can understand sentences they have not heard before because of their abstract knowledge they possess.
その言語についての抽象的な知識があるおかげで人々は今まで聞いたことの無い文章を理解することができる
⇒○
ちょっと難しかったですか。
d.The word code is often used to mean language.
言葉のコード(暗号)はしばしば言語と呼ばれる
⇒○
冒頭にそう書いてありましたね。
e.The knowledge that people have of the languages that they speak is similar to the kind of knowledge that we see described in most grammars found in libraries.
人々が言語について持つ知識というのは書籍に著されている多くの文法に記述されている類の知識と似通ったものだ
⇒×
言語知識は文法に表わし難いものであり、抽象的なものでしたね。
f.The third code that a bilingual person uses is derived from two codes.
バイリンガルの人物が使う第3のコードは二つの(言語の)コードから引き出されたものだ
⇒○
これは第1段落に述べてありましたね。
g.A code is something that is used to hinder our communication.
コード(暗号)というものは意志伝達を阻害するために使われるものだ
⇒×
これは一種のひっかけ問題ともいえるかもしれません。
コード=暗号という意味だけにとらわれると、暗号すなわち意志の阻害の手段ととらえた人もいるかもしれません。
しかし本文での意味は異なりますね。
h.Everybody who speaks a language has knowledge about that language which is greater than what is described in grammar books.
ある言語を話す人は誰であろうとも、その言語に関しては文法書に著されたのよりもずっと多大なる知識を所有している
⇒○
回りくどい言い方ですが、正にその通りですね。
i.People have knowledge of what can be said and what cannot be said in the language they speak.
人々は自分が話す言語に関しては、何が言いえて何が言いえないかという知識を所有している
⇒○
それが抽象的な知識というものでしたね。
j.It is considerably difficult for linguists to write grammars.
言語学者にとって文法を書き示すのはかなり難しいことである
⇒○
これも繰り返し述べてありましたね。
k.The knowledge that grammar books contain is always much more than what people know about a language, so that people need to consult grammar books when they speak.
文法書に書いてある知識は人々がもつ知識よりも常に多くのことを含んでいる、そのために人は話すときに文法書を参考にする必要がある
⇒×
これは本文がなかったとしても常識的にいってもありえないことですね。
l.Recently linguists have discovered how the knowledge of a language is shared and acquired.
最近になって言語学者は言語についての知識がいかに共有され習得されているのかを発見した
⇒×
いまだに不明なんですね。
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はい!ここまで!
いかがでしたか?
長文読解には、英語力の前に先ず日本語力が必要、ということも感じ取れたのではないでしょうか。
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2 Responses
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(;_;)長文となると、単語に文法、そして日本語力が必要なのが痛いほど分かりました(@_@)私には長文過ぎました(°°;)
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>oia(ペタ休止いたします~w)さん
泣かなくてもいいですよ(-^□^-)
問題に挑戦しようとしたこと自体が、素晴らしいことだと思います。
大学受験の問題は、こういう抽象的な概念についてのものが多いので、それに慣れておくことが必要になってきます。
今後の勉強に刺激になれば幸いです!(^O^)/