(写真はノーベル平和賞を報じない中国の9日付け各紙)
中国の民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞の授与。この決定に対して中国政府は「中国とノルウエーの関係に影響を与えるかもしれない」と警告。そのような対応が世界の常識から外れていること…を中国の国民は知ることができるだろうか。
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国の体制に異を唱えること。それは表現の自由であって尊重されなければならない。しかし一党独裁国家では、それは留置場行きを意味することにもなる。
ノーベル平和賞が決定したとき、中国の国内テレビの放送は中断された。政府にとって都合の悪いことは報道しない、という明らかな意思表示だ。街中のインタビューで市民は「よく分からない」のように答える。当然のことだ。自分も牢屋に入れられたくはない。
しかし…これでもずっと昔の中国(やソビエト連邦)に比べればまだよくなったはずだ。恐怖政治が世界中に蔓延していた暗黒の時代に比べれば。
これは他人事だろうか?私がアメリカにいたとき、湾岸戦争が起きた。毎日のテレビや新聞の報道はアメリカ人が何人負傷したか、ということばかり。イラクの犠牲者は「かなり多くの犠牲」と簡単に報じるばかりだった。
そして、日本から送られてきた新聞や雑誌を見て驚いた。なんて多くの、それも兵士ではない一般民間人が犠牲になっていることか。血にまみれた多くの子どもの写真。しかし、そんなものはアメリカのメディアでは一切扱われなかった。
なるほど。これが戦争か、と思った。世界一の自由を標榜するアメリカにして、この有様だ。そして街中の雰囲気がアメリカ軍礼讃の雰囲気一色で、それに非を唱えようものなら身の危険を感じかねないほどだった。
「他山の石」という言葉がある。中国を批判するばかりでなく、それがいつ「明日は我が身」となりかねないか、国民は意識する必要がある。
なんだかんだと言いながら日本は「表現の自由」が守られているほうだと思う。それがこれからもずっと維持される平和が続いて欲しい。言論の自由、表現の自由、それは最大に尊重されるべき人権だから。
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4 Responses
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中国人の知識階級(大学生含む)のほとんどが、政府によって情報統制されていることを知っています。
また、昨今急増しつつある富裕層はみな子供をアメリカの大学に行かせ、
最先端の教育を受け、将来に備えています。
中国が今の状態を永遠に続けられるとは思えないです。
日本は、中国と違ってネットアクセスも規制されていませんし、
英語さえ読めれば海外のサイトからタダで情報を入手することができます。
これは非常に恵まれた状況だと思います。
いかんせん、それを十分に生かしているとは言えない現状ですが。
思ったことを自由に言えるというのは、当然のことではありますが、
それができない国もあるということを、常に心にとめておくべきでしょうね。
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>English Bootcamp Yumiさん
そうですね、私の知っている人(台湾の方を含めて)にはお子さんをアメリカの大学に通わせている方が何人もいました。
我々は平和ボケもあるせいか、そこまで将来を考えての対策や投資を考える人は少ないですよね。
そう、我々の恵まれた環境、そしてそうでない国々があることを知っておくのは大切ですね。
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考えさせられる記事でした。
中国は、まだまだ開かれていない国なのですね。こちらにきて中国人の知人ができました。
彼女は10歳くらい年下なのですが、アメリカ暮らしを本当にENJOYしています。アメリカにいるうちにDEGREEを取るため大学進学をめざしているし。。すごいがっつです。
国というのは時にこまったものですね。
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>mukukoさん
うぅん、非常に差が大きいといえるのでしょうね。
経済規模が日本と同じになったとしても、人口が10倍と考えれば一人あたりは10分の1、実際にはそれよりも大きい格差が中国内部であるんでしょうねえ。
海外にいる中国系の人たちは本当にパワーがあって、そして実利にさとく、勉強も必死でしますね。