親父は船乗りだった
遠いペルシャ湾から
石油を積んで帰ってくる
オイルタンカー
日本に帰ってくるのは
3ヶ月か4ヶ月に
一度だけ
母に手をひかれ
夜行列車に乗り
新潟や神戸、横浜
大きな港や
石油コンビナートの
ある町へ
父とは
エアメールで
お話する人
海外のおみやげ
持って帰ってくれる人
青い蝶々の標本
イラン
アフリカ
ニューヨーク
寂しくなんてなかった
生まれたときから
それが普通の生活
大きな船
はしからはしまで300m
学校の校庭より大きい
いつか船乗りに
なってみたい
でも父は言った
船乗りだけはなるんじゃない
家族と離れて
ひとりぼっちだぞ
言葉が心に突き刺した
でも父をこえたい
いつか世界をめぐりたい
死ぬほどの努力をした
夢はかなった
世界を駆け巡った
いつか父がきた街も
海がないと寂しい
ずっと海は
友達だったから
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4 Responses
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私の叔父も船乗りでした。
外国の紅茶、チョコレートをお土産に
もらうのが子どもながら楽しみでした。
でも船乗りは淋しい・・・と言って
船をおりました。
家族を持って叔父の淋しさが理解できました。
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>みっきーさん
うん
海が好き、というだけでは続けられないものだと思いますね。何を優先するのか、それは各々の人生観ですが。。。
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とても興味深く読ませていただきました。
世界とつながるよっちゃんさんの人生はお父様の姿をとおして始まったのですね。
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>モカモカさん
そうですね、何でも何かの起源があるものかもしれないですね。親の生き方は子どもに影響を与えるものですよね。