夏の陽射しがまぶしい季節だった。
Nさんは私立高校の1年生。
夢に輝いているはずの頃…だが暗く沈んでいた。
話を聞くと「人間関係」に悩んでいた。
内容はここに書けないが…抜け出せない悩みと分かった。
もう決心は固まっていた。。。学校をやめる。
もう2度と私立高校には行きたくない。
1年下の後輩と同学年になってもかまわない。
公立高校に入りなおして一からやりなおしたい。
受験は2月、もう残り半年しかない。
頭の悪い子ではなかった。
でも家の中では出来ない…これも何故かは明かせないが。
図書館に行って出来るものではない。
世間からドロップアウトしたように思えて集中できない。
でもやらなければ。。。後にはひけない、高校は中退した。
それからの道のりは楽ではなかった。
雑音は周りにある、しかし私の元で学ぶ時間だけは自由の時間。
早い夕方には小学生とも親しくなって笑顔が見えた。
木枯らし舞う季節になった。
成績が安定し、じわじわと偏差値が上がっていった。
合格判定が50%を上回った。
冬休みも毎日勉強をした。
お正月が明けてからも脇目をふらなかった。
1月は私立高校受験…それは彼女には関係ない世界。
2月上旬の「推薦入試」それは「浪人生」には閉ざされた扉。
2月の終わり、本番の一般入試。
一発勝負だ。志望校は落とさない。諦めないという。
それから一週間後。
いよいよ合格発表。
・・・受かった!
その後は街で何度か偶然にあった。
憧れの自由な公立の高校生活。
髪の毛も染めスカートも短くニコニコしていた。
3年後の春。
駅前の焼き鳥屋さんで飲んで帰る時、声がした。
「先生!覚えてますか?」
一瞬分からなかった。
金髪にモデルさんのような服装。
「美容師になる専門学校に行くんですよ!」
よかったね。
望んでいた生活を得た、それは君の努力の結果だ。
キラキラしていたね。
ただ一つ気になったのは…彼女は19歳だったはず。
飲み屋さんで…ジンジャーを呑んでいたはず、にしておこう。
(高校生でも飲んでいるのは…知らないふりをしておくけどね)
あれからまた月日が流れたね。
今頃は立派な美容師さんになっているかな。
それともまた…
「先生!」
って、びっくりさせないでくれよ。
でもね、君が元気になってくれたことが、一番うれしいよ。
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